パソコンやスマホの使用時間が増えたことで、子供の近視は増えています。早めの治療開始が重要です。
子供の近視抑制治療(リジュセアミニ点眼液)
パソコンやスマホなど近くでものを見る時間が増えたことで、世界的に近視が急増しています。
特に小児期は体の成長と共に眼軸(眼球の長さ)が伸びることで、近視が急速に進行することがあります。幼児や小学校低学年のころから近視の子供は、成人してから強度の近視になりやすいことが分かっています。
強度近視は将来的に緑内障や網膜の病気になりやすく、これらの病気を予防するために、近視の進行を早期に抑えることが重要です。
近視の進行を抑制するために、
- 毎日2時間以上の野外活動
- 30㎝以上離して、タブレットやスマホなどの画面をみる
- 画面を20分見たら、20秒遠くを見て休憩する
などが推奨されています。
低学年から近視が始まっている、家族に近視が多いなど、近視の進行リスクが高い方のために、当院では子供の近視進行抑制のための低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ点眼液0.025%)を処方しています。
リジュセアミニ点眼液0.025%
子供の近視を抑制するためにアトロピンを0.025%配合した点眼です。
低濃度アトロピン点眼液での近視進行抑制効果は、シンガポール国立眼科センターの研究で発表され、海外で製造されたマイオピン点眼液を当院では処方してきました。2025年に参天製薬から初めての国産点眼液、リジュセアミニ点眼液が発売されました。国内でも日本人対象の治験が行われ、近視進行抑制効果が認められました。
以前に取り扱いのあったマイオピン点眼液は0.01%と0.025%の2種類がありましたが、近視抑制効果と副作用のバランスの点から、マイオピン点眼液0.025%と同等のリジュセア点眼液のみを取り扱いとしています。
リジュセアミニ点眼液(30日分) 4,380円
診療費 3,300円
※価格は税込み表示です
※初回は1か月分を処方し、2回目は2か月分を処方、問題なければ以降は3
か月ごとの点眼処方と診察になります。
※治療は自費診療となり、保険診療と同日には処方できません。
Q&A
Q1.リジュセアミニ点眼で近視はなくなりますか?
A1.近視が進行するスピードを遅らせますが、近視がなくなるわけではありません。
裸眼視力が不良の場合は、眼鏡が必要になります。
当院ではコンタクトレンズ(EDOFレンズ)や、マイオキッズレンズの眼鏡処方も行っています。EDOFレンズは大人用の遠近コンタクトレンズですが、子供の近視進行抑制が期待できるといわれています。マイオキッズレンズは、近くを見るときの調節の負担を減らすことで、近視進行を抑制するという調節ラグ理論に基づいたレンズです。ご希望の方はご相談ください。
Q2.リジュセアミニ点眼で近視はこれ以上進みませんか?
A2.近視の進行を完全には抑制できません。
0.025%アトロピン点眼では、プラセボ群や0.01%アトロピン点眼と比べて有意に近視進行を抑制したとのデータがあります。
Q3.いつまで点眼は必要ですか?
A3.2年以上の治療継続が必要です。。短期間の使用では、点眼中止後のリバウンドがあるとのデータがあります。近視の進行が安定する10代後半までが治療を続けることが望ましいです。
Q4.副作用はありませんか?
A4.点眼後に瞳孔が開くため、10%程度の方にまぶしさやピントが合わない副作用がでます。症状が強い場合は、点眼を中止すれば症状は改善します。
Q5.オルソケラトロジーと一緒に使えますか
A5.オルソケラトロジーとの併用で、より強い近視抑制効果が得られるとのデータがあります。オルソケラトジーの適応については別ページをご参照ください。