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7月 27, 2018

日本人は平たい目族?

海の日の連休に新宿で開催されたフォーサム(眼感染症、眼炎症、コンタクトレンズ、涙道の合同学会)に参加しました。

 

感染やコンタクト、涙道関係を見て回りました。

調節や屈折のセッションで面白い話がありました。

戦後の栄養状態の改善により日本人の体格が変化していきましたが、

日本人の眼のかたちも世代間で変化がみられるそうです。

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若年世代ほど、角膜(黒目)の形はフラットに(平たく)、反対に眼軸(目の長さ)は伸びる傾向にあり、

この傾向は50年代から70年代生まれにかけて顕著であったそうです。

角膜がフラットになると遠視化を意味しますが、

眼軸がのびて近視化する分がこれをうわまわるため、全体として近視化しているそうです。

体は細身で手足が長く長身になったのと同じなのでしょうか?

 

日本人は白人と比べてフラットな目だというデータが以前からありますが、

映画『テルマエ・ロマエ』でいわれた「平たい顔族」だけではなく、

「平たい目族」でもあるようです。

 

 

7月 2, 2018

OTON GLASS

理化学研究所 網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー 高橋政代先生の講演を伺いました。

世界初のiPS移植手術を成功させた世界的な研究者で、日本の眼科の誇りである高名な先生です。

 

講演の初めに、googleが医療分野への本格的な参入を発表したとき、

壇上のモニターに紹介されたのは、眼底写真であったこと。

眼科は世界最先端のAIによる医療革命の場になる可能性があることから触れられました。

 

iPS移植手術の材料となった網膜色素上皮は、ヒトの黒目と同じく色素をふくみ、

見た目でほかの細胞と見分けがつきやすいため、

効率よく細胞が集めることができ、実験の成功につながったこと。

現在は、より複雑な視細胞の移植に取り組んでいることなど伺いました。

玉石混合で、怪しい幹細胞移植の発表も複数みられる現状で、

実際の病気を知る臨床の眼科医が、結果を正しく評価することがとても大切であることも強調されていました。

 

多くの期待を背負う反面、科学の発展には投資し結果を蓄積する時期があり、

現在はまさに過渡期であること。

iPS移植技術が実際の患者を救うのは、私たちの子供や孫の世代であること。

現在の患者を救うのは、医療そのものよりもロービジョンケアであると強調されていたのが印象的でした。

 

ロービジョンとは、眼鏡などで矯正しても視力が出ない、視覚障害のことです。

視覚障害の代行機器とは、昔からある点字や白杖などがあります。

最近人工網膜による手術が現実となりましたが、費用対効果を見るとまだ現実的ではありません。

現在手に届く視覚代行機器として注目されているのが、「スマートグラス」。

医学とは関連のなかった個人が、病気の父親の役に立ちたいとの思いから開発が始まった

「OTON GLASS」を紹介されていました。

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見たい文字の方向をみると、文字を読み上げてくれる眼鏡。

ヒトへの思いと技術が合わさり、病気による障害を越えていける。

高橋政代先生の思いと重なる、面白いディバイスだと思いました。