医療

12月 27, 2018

ボヘミアンラプソディー

話題の映画、ボヘミアンラプソディーをみました。

Queenの曲を聞いたことはありますが

人気絶頂の頃はよく知らず、上の世代に流行ったイメージでした。

次々と斬新なヒット曲を作る過程や、成功の裏の葛藤、

最後のライブエイドの圧倒的なパフォーマンスは、

息つく暇もないくらいで、予想以上に面白かったです。

ブライアンメイ、そっくりすぎ!

 

後半、フレディが同性愛をマスコミから詰問されたり、

エイズに蝕まれていく様子が印象的でした。

フレディが亡くなったのは1991年でした。

当時はHIV感染者は同性愛や薬物使用者に多く、

AIDSを発症し死に至る病いと恐れられていました。

 

その後、次々と抗ウィルス薬が開発され、

感染してもAIDSを発症することなくコントロールできる病気と変わっていきました。

 

1998年、私は一か月ほどニューヨークのマウントサイナイ病院の感染症科で研修をしました。

病棟ではAIDSの患者さんも多数いましたが、

画期的な新薬Crixivanの登場でHIV感染の脅威が薄らぎ始めた印象がありました。

街角の看板や新聞広告にまで、Crixivanの宣伝があった事に驚いたものです。

その薬も、次々と登場した新薬の影で、現在は販売が終了しています。

 

もしフレディの病気があと10年遅かったら、

彼はAIDSで命を落とす事なく、今頃はまだ現役のスターであり続けたのかもしれません。

 

12月 14, 2018

2019スギ花粉予報

先週から冬の寒さが深まってきました。

12月に入って、早くもスギ花粉症の患者さんも見られます。

2019年のスギ花粉は例年並みで、非常に花粉飛散量が多かった去年の半分ほどのようです。

スギ花粉は地域差があり、山林にスギがほとんどない北海道ではスギの花粉症はないといいます。

都内でも、東京西部の青梅や八王子付近はにスギ花粉の飛散量が多いといわれています。

外国ではスギ花粉は少ないようですが、スギ以外の花粉がアレルゲンになることはあります。

スギ、イネ科、ブタクサは日本でも春と秋の花粉症の原因ですが、世界三大花粉症と呼ばれています。

スギのない北米はブタクサ、ヨーロッパではイネ科植物で花粉症になる可能性があります。

 

自分がどの花粉症か知るために、アレルギーの原因をしらべる抗体検査が重要です。

当院ではお子様でもできる指先採血のイムノキャップラピッド、

通常の採血で39種類のアレルゲンをしらべる、VIEW39抗体検査を行っています。

11月 22, 2018

コンタクトによる眼障害

オルソケラトロジーの定額制プラン(定額制についてはこちらまで

契約中は1年ごとにレンズ交換ができるため、

清潔なレンズを安心して使用できることが最大のメリットです。

 

西東京眼科フォーラムで「杏林アイセンターの感染性角膜炎の現状」の演題を聞いて、

ますますコンタクトケアの重要性を実感しました。

 

杏林アイセンターの感染性角膜炎のうち、若年者の多くはコンタクト関連のもの。

起炎菌をコンタクトの種類ごとにみると、1日使い捨てレンズの使用者でも

水道水など通常は起炎菌とならないようなアメーバも多くみられたそうです。

アメーバによる感染性角膜炎は重症で、なおっても視力障害が残ることがあります。

1日使い捨てレンズが、使い捨てでなく使いまわされている現状がみえました。

 

ネット販売からドラッグストアや雑貨店まで、度数ありコンタクトレンズが販売されていますが、

適切にケアや検診をうけないと取り返しのつかない結果となることがあります。

 

症例提示では、当院から紹介したような20歳代のコンタクト使用による感染性角膜炎の例が提示されていました。

見るからに緑膿菌による感染が急に悪化して杏林に紹介したのですが、

紹介翌日に急激に悪化し、角膜瘢痕を残して何とか視力回復したとの結果でした。

12歳のオルソケラトロジー使用者のアメーバ感染性角膜炎の例も提示されており、

当院でも注意して治療しなければと気を引き締める思いでした。

 

 

 

7月 27, 2018

日本人は平たい目族?

海の日の連休に新宿で開催されたフォーサム(眼感染症、眼炎症、コンタクトレンズ、涙道の合同学会)に参加しました。

 

感染やコンタクト、涙道関係を見て回りました。

調節や屈折のセッションで面白い話がありました。

戦後の栄養状態の改善により日本人の体格が変化していきましたが、

日本人の眼のかたちも世代間で変化がみられるそうです。

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若年世代ほど、角膜(黒目)の形はフラットに(平たく)、反対に眼軸(目の長さ)は伸びる傾向にあり、

この傾向は50年代から70年代生まれにかけて顕著であったそうです。

角膜がフラットになると遠視化を意味しますが、

眼軸がのびて近視化する分がこれをうわまわるため、全体として近視化しているそうです。

体は細身で手足が長く長身になったのと同じなのでしょうか?

 

日本人は白人と比べてフラットな目だというデータが以前からありますが、

映画『テルマエ・ロマエ』でいわれた「平たい顔族」だけではなく、

「平たい目族」でもあるようです。

 

 

7月 2, 2018

OTON GLASS

理化学研究所 網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー 高橋政代先生の講演を伺いました。

世界初のiPS移植手術を成功させた世界的な研究者で、日本の眼科の誇りである高名な先生です。

 

講演の初めに、googleが医療分野への本格的な参入を発表したとき、

壇上のモニターに紹介されたのは、眼底写真であったこと。

眼科は世界最先端のAIによる医療革命の場になる可能性があることから触れられました。

 

iPS移植手術の材料となった網膜色素上皮は、ヒトの黒目と同じく色素をふくみ、

見た目でほかの細胞と見分けがつきやすいため、

効率よく細胞が集めることができ、実験の成功につながったこと。

現在は、より複雑な視細胞の移植に取り組んでいることなど伺いました。

玉石混合で、怪しい幹細胞移植の発表も複数みられる現状で、

実際の病気を知る臨床の眼科医が、結果を正しく評価することがとても大切であることも強調されていました。

 

多くの期待を背負う反面、科学の発展には投資し結果を蓄積する時期があり、

現在はまさに過渡期であること。

iPS移植技術が実際の患者を救うのは、私たちの子供や孫の世代であること。

現在の患者を救うのは、医療そのものよりもロービジョンケアであると強調されていたのが印象的でした。

 

ロービジョンとは、眼鏡などで矯正しても視力が出ない、視覚障害のことです。

視覚障害の代行機器とは、昔からある点字や白杖などがあります。

最近人工網膜による手術が現実となりましたが、費用対効果を見るとまだ現実的ではありません。

現在手に届く視覚代行機器として注目されているのが、「スマートグラス」。

医学とは関連のなかった個人が、病気の父親の役に立ちたいとの思いから開発が始まった

「OTON GLASS」を紹介されていました。

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見たい文字の方向をみると、文字を読み上げてくれる眼鏡。

ヒトへの思いと技術が合わさり、病気による障害を越えていける。

高橋政代先生の思いと重なる、面白いディバイスだと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

2月 22, 2018

ニコラ3月号に掲載中!

今年もニコラ3月号「ニコラ保健室」に記事が掲載されています!

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眼鏡とコンタクト、どちらが良いの?というお悩み。

「コンタクトレンズは黒目(角膜)に直接レンズをのせて、視力を矯正します。

眼鏡と違って見た目が良いのと、眼鏡枠のわずらわしさがないのが良い点です。

強い近視の人は、眼鏡だとレンズが厚くなり歪んで見える事があるけど、

コンタクトレンズは歪みが少ないので見やすいのも特徴です。

眼鏡の良い点は、目に負担がない事、コストが安くお手入れが要らない点です。

どちらも良い点、悪い点がありますが、スポーツやお出かけの時など、

眼鏡だと困る人にはコンタクトレンズはぴったりの方法です。

普段は眼鏡、お出かけだけコンタクトなど、使い分けても良いでしょう。

コンタクトレンズは高度医療機器に指定されており、きちんとお手入れをする事がとても大切です。

最近はコンタクトレンズをネットや雑貨店で購入し、眼科での検診を受けない人が増えています。

目の病気を予防するために、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。」

と回答しました。

2月 7, 2018

AI君、目を救う。

東京都眼科医会の講演会で、医療とAIにまつわるお話を伺いました。

はじめは東大の医療情報学教授の大江和彦先生から、医療におけるAI技術のお話。

医療においてAIが実用化されるといわれている画像診断。

プーリング効果といって、データを一回減らして再構築するという技術をつかうそう。

画像をいったんばらばらにして、特徴的なものを抽出、その組み合わせで診断をするというもの。

CTやMRIの画像診断や、細胞の形や状態をみる病理診断では自動化される可能性があります。

 

続いて名古屋市立大眼科の安川力先生のお話。

眼科診療の必需品となったOCT。

眼球の底である網膜の黄斑部、わずか数ミリの範囲にあるわずかな異常を見つける機械。

形の個人差が比較的少なく、AIによる画像診断がしやすいそうです。

実際にAIで網膜疾患の解析をしたところ、

上位3位の病名まで出せば、眼科医の診断に近くなるくらいの精度だそうです。

 

面白いのは、AIの診断根拠となるわずかな病変をみてみると、

眼科医ですら疾患の特徴ととらえていなかった、意外な病変がみつかるということ。

AIの考え方から、人間もわからなかった未知の解決法がわかるいうのは、

囲碁とAIの対決のなかでも言われていました。

医療におけるAIは、医師の補助や代替えだけではなく、

診断や治療の可能性を広げてくれるツールなのかもしれません。

1月 30, 2018

花粉症で口がむずむす?

先週の寒波のあとも、今週はまた雪予報。

まだまだ寒いなかでも、立春はもうすぐ。

春になると花粉症が心配という方も多いと思います。

花粉症のシーズンは2-3月からが多いですが、

早く反応する方は1月からむずむずが始まり、来院されされる方もちらほら。

早めの花粉症の症状が出る方は、ハンノキやシラカンバの花粉症かもしれません。

ハンノキやシラカンバはブナ(どんぐりの木)の仲間で、

スギよりも早く長い期間、1-6月に花粉が飛散するといわれています。

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これらの花粉症の人は、バラ科植物(リンゴ、もも、イチゴなど)の食物アレルギーも起こしやすいことがわかってきました。

花粉症の人で、果物や野菜を食べると口がむずむずする症状が出る人は、

花粉症に関連した口腔アレルギー症候群の可能性があります。

アレルギーの原因を特定するには採血での抗体検査が有効です。

当院では花粉症の原因になる吸入抗原から食物アレルギーの原因物質まで、

39種類の抗体を調べられる、view39という血液検査を行っています。

1月 22, 2018

改めて、人体の不思議

NHKで「人体」が放送中です。

私も勝手に応援している、山中伸弥先生が出演されています。

改めて人体の不思議に感心。

昨年放送した第一回はメッセージ物質(バイオマーカー)の話題。

眼科でも使用されることがあるアダリムマブ(製品名ヒュミラ)という抗体製剤がでていました。

○○マブという名前の抗体製剤は、高額だけど非常にキレが良い薬でこの数年続々発売されています。

眼科でも抗体製剤である抗VEGF薬が出てから、診療が激変したほど。

なんだかすごいな薬だなあと思っていましたが、組織に直接的に働きかける機序だったんですね。

ただし、良薬は財布に苦しで、非常に高価な薬。

外資の製薬メーカーに完全に持っていかれています。

 

先日放送されていたのは、腸内細菌の話。

腸内フローラとか一時流行りではありましたが、

多発性硬化症など、視神経炎もおこすことのある自己免疫疾患の発症にまで関わっているなんて。

近年、免疫の暴走である自己免疫疾患やアレルギー疾患が増えているとの話はききます。

自己免疫疾患は感染症をきっかけに発症することが多いのですが、

免疫異常に腸内細菌からのメッセージ物質が関わっている可能性があるとのこと。

病気の原因が外部環境ではなく、実は人体の内部環境の変化にあるなんて驚きです。

12月 21, 2017

宇宙兄弟

金井宇宙飛行士が宇宙に飛び立ちました。

医師でもある金井さんがインタビューで、

宇宙では近視が治るので楽しみとコメントされていましたが、

宇宙では重力の影響で視神経が腫れたり、

眼球が変形して、一過性に近視が治るそうです。

無重力状態では体の上のほうに水分がたまりやすくなり、

脳や神経を包み込むクモ膜下腔の液体が増えるそう。

眼球の後ろの脈絡膜は血流が豊富な組織のためは腫れて肥厚し、

眼球がが平たくなり近視が改善するそう。

詳細はこちらまで

脈絡膜の肥厚とは、近視抑制のアトロピン点眼と同じ作用機序ですが、

宇宙にずっといると近視進行抑制にもなるんでしょうか?

地上の眼球

地上の眼球

 

宇宙の眼球。視神経の周りの液が溜まり、眼球が変形する

宇宙の眼球。視神経の周りの液が溜まり、眼球が変形する

だだしこの絵、眼科医的には怖すぎます。

絶対目には悪そうです。

無重力って、やはり地球人向きの環境ではないんですね。

金井宇宙飛行士、半年間頑張って下さい!